対談 元ミス・ユニバース日本代表 美馬寛子さん 社団法人 日本発酵フードラボ協会 代表理事 山口さきさん
発酵食品をもっと身近に。
美と健康につなげる秘訣。
美容と発酵料理の
プロフェッショナルであるお二人に、
発酵食品の魅力や季節ごとの
ライフスタイルについて伺いました。
対談には女性特有の悩みを
解決するヒントがいっぱい。
味噌や甘酒などの発酵食品を
取り入れて、毎日を美しく
元気に過ごしてみませんか。
Winter/ 冬
寒い時期のちょっとした工夫をはじめ、ともに海外で暮らした経験のあるお二人が世界の発酵食品について語ります。産後の体調の整えかたもご参考に。 ※本文中に敬称を省いた箇所があります
誰でも簡単にできる冷え対策
多くの女性が悩む冬の冷え症。お二人はどのように予防しているのかお伺いしてみました。
美馬さんはスパイスが大好き。ショウガも好きで、冬は毎朝マグカップにショウガのすりおろしとお湯を入れてレモンを搾って飲んでいるそうです。全身がぽかぽかと温まります。山口さんもショウガが大好き。甘酒に入れてもおいしいと言います。
山口 「そのほか冬は意識してよく噛むことを心がけてます。噛むことは熱を生みますし、この反応は代謝のひとつなんですよ。寒いときほど胸を張って姿勢を正してよく噛むことで、熱代謝が起こって温かくなります。これは私たちの工夫でできる代謝なので、心がけひとつで誰でもすぐできるんです。悪い姿勢でずるずると食べると全く熱を生みだしません。毎日の食事を意識していつもより10回プラスして噛むとぽかぽかしてくるからぜひ試してみてください。」
簡単にできる冷え対策に美馬さんも興味を持ったごようすでした。バランスの良い食事をよく噛んで食べる、基本的なことですが改めて大切にしたい食習慣です。
世界の多様な発酵食品
お二人とも仕事や留学で海外に住んでいたことがあり、世界の発酵食品についても興味があるようです。
美馬 「外国では発酵食品はダイエットに使われているイメージですね。腸内環境を整えると便秘予防になり排出できるからではないでしょうか。たとえば、ドイツではシュニッツェルに添えられるザワークラウトですね。ほかにもお漬物やピクルスが発酵食品として扱われていました。味噌や醤油、みりんなど調味料としてここまでそろうのは日本くらいなのかな。」
山口 「アジアは発酵食品の種類が多いですよね。なかでも米を麹にするのは日本特有の文化ですね。日本の発酵食品は植物性で、日本人が食べてもおなかを壊しません。」
発酵には高温多湿の気候が不可欠で、乾燥しているところでは発酵ができません。適度な温度と湿度がある韓国ではキムチやマッコリなどが有名で、美容も進んでおり、肌がきれいな方が多いです。中国は豆板醤、甜面醤などジャンの文化があり、豆や小麦を発酵させて使います。ヨーグルトは、酪農が盛んで生乳と菌がある国で生まれたものです。このようにその土地にいる菌を生かして発展していったのが発酵食品です。
海外でも日本の発酵食品は人気で、味噌と醤油はたいてい売っています。美馬さんはシンガポールに2年ほど住んでいたのですが、甘酒は売ってなかったそう。海外だといつも食べている発酵食品がないと思うのですが、困ったことはありますか?
美馬 「シンガポールにはコミュニティがたくさんあって、日本人は日本人のコミュニティでまとまっています。その地域に日本人向けのスーパーもあるのですが、醤油もやっぱり味が違うんですよね。濃口はあるけど薄口がなかったり。肌荒れもしやすくなりますね。日本のもの、徳島のものは本当においしいと感じます。」
毎日当たり前に食べている発酵食品や食材のおいしさ、ありがたさをしみじみと実感している回答が印象的でした。
妊娠、出産から学んだこと
美馬さんのお姉さんは妊娠中に、かねこみそ「あま酒」をずっと飲んでいたそうです。山口さんは現在一児の母として、仕事や育児に多忙な日々。産前産後の状況はいかがでしたか?
山口 「妊娠後期は便秘に悩まされる人が多いし、産後の便秘もよく聞きますね。甘酒は腸内環境にいいし、薬に頼りたくなかったので、私も妊娠中と産後は甘酒をよく飲みました。」
山口さんはご自分の身体と相談しながら産後一か月ほどで仕事に復帰されたそうです。早期復帰を支えたのも発酵食品でした。
山口 「仕事を休んだ概念がないんですよね。もちろん産後すぐはなかなか動けないのでパソコンでできる作業をしていましたが、産後一か月くらいで通常業務に復帰したように思います。私は出産で体の老廃物が全部出たような感覚があって。産んでからすごく元気になってしまいました。産後は女性の体にとって非常に大切な時期ですから、絶対に無理をしてはいけないのですけど、私の場合は日ごろから発酵食品で腸内環境を整えていたのも良かったのかなと思います。」
忙しい人にこそ味噌や甘酒などの発酵食品が必要だと言います。手軽に利用できる商品を活用するなど、無理のない方法で発酵食品を取り入れることが身体のケアにつながると感じました。
Yamaguchi-insyoku × Kanekomiso 山口さきさん監修 寒い冬に体ぽかぽか発酵レシピ
身体が冷える冬、あったかいスープで体もほっこり。 味噌や甘酒の発酵食品入れることでコクや優しい甘さが味わえます。